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- G.A., シニアエディター

ユネスコは、教育、科学、文化における国際協力を通して平和を広める活動を行っています。ユネスコの取り組みには政治家、科学者、政策立案者、ジャーナリスト、そして一般市民の間の協力が必要です。健全かつ効果的なプログラムの開発を実現するため、ユネスコは科学技術における倫理的問題を検討し、必要な勧告を行うことも求められています。

1974年、ユネスコは、科学研究者の地位に関する勧告を採択しました。この勧告では科学者の責任や、一般市民が科学へアクセスすることの必要性などの基本原則が取り上げられています。しかしながら、その後数十年間で科学技術があまりにも急激に進歩したため、これらのガイドラインは時代遅れになる可能性が出てきました。その後の勧告では生命倫理などの問題が取り上げられましたが、科学研究者の地位に関する勧告の改訂版が採択されたのは2017年になってからでした。この勧告の主な改訂内容はユネスコのウェブサイトに掲載されています

当然のことながら、改訂版では科学者個人の倫理的責任ならびに施設や政府による厳格な倫理面の監視の必要性が重視されています。最も重要なのは、改訂版ではすべての人が「科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利」(世界人権宣言の第27条に記載)を有しているということが強調されている点です。

一般に監視や倫理委員会の設置は、大多数の科学者が行う日常業務の範囲を超えていますが、世界中のすべての科学者が共有すべき価値観について、すべての科学者が折に触れて考えることが重要です。

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