特集記事

- G.A., シニアエディター

LinkedInFacebookInstagramなどのソーシャル・メディア・プラットフォームの拡大は、人脈を築き、つながりを作ることが人々にとって重要であることを示しています。ソーシャル・メディアはプライバシーに対する潜在的脅威であり、くだらない時間の浪費だと批判する声がある一方で、科学界の中で社会的つながりの力をうまく利用している科学者もいます。

ResearchGateは、学術研究者と科学者のためのソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)として設立されました。学術研究者と科学者に特化したプラットフォームを維持するため、登録の際には広く認知された機関のEメールアドレスか、適切な研究出版物の確認が求められます。ResearchGateのサイトでは、科学者が自分と同じ分野の他の科学者を「フォロー」することができ、既刊論文の複製をアップロードして最新の知見を共有することもできます。しかし、この論文の共有を、大手出版社が著作権侵害として批判しています。

その一方で、著作権で保護された資料の配布には訴訟の脅威があるにも関わらず、ResearchGateはシュプリンガー・ネイチャーと提携を結び、一部のNature関連誌に発表された論文全文の共有を促進しています。まだ試行段階であり、2017年11月以降の一部のNature関連誌に発表された論文に限定されていますが、この提携は大手出版社のSNSに対する考え方に変化が起きていることを示すものです。かつて、SNSは違法であり著作権に対する脅威と見られていましたが、今ではSNSのツールを使ってどのように知識を広め、読者層を拡げていくことができるのかを検討する価値のある存在になっています。

ResearchGateには現在、1,500万人のユーザーがいます。この試験的な提携によって、サイトを利用する学術研究者や科学者の数が増えるのか、あるいは、より多くの出版社がResearchGate上での著作物の共有を認める同様の提携を結ぶようになるのか、興味が持たれるところです。

英語版はこちら