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- G.A., シニアエディター

生物医科学分野では、ほとんどすべての論文に複数の著者がいるのが一般的で、各論文のタイトルページに記載される著者数は時が経つにつれて増え続けています。公正性と公平性が懸念される今日の社会環境で、オーサーシップ(著者資格)の指定も公平で公正に実施されているのか、一部の科学者の間で疑問視されてきました。

こうした懸念を受けて、The Journal of Clinical Investigationの編集委員会は、投稿する著者向けに新しいガイドラインを発表しました。現在、これらのガイドラインは、筆頭著者が指定された経緯の説明を責任著者に求めています。誰もが望む筆頭著者の地位には、その研究に最も多く貢献した研究者を指定するのが普通です。若手科学者にとって、筆頭著者の地位は研究者としての評判を築くのに役立ちます。しかしこれまで、こうした決定が下される経緯については、学術誌で広く議論されてきませんでした。

学術誌に投稿するために、著者らは原稿と関連図表だけでなく、倫理審査の承認や利益相反の可能性などの情報も準備する必要があります。すでに多くの学術誌が、各著者による投稿論文への貢献度について詳細な説明を求めているため、The Journal of Clinical Investigationの要求は著者らに著しい負担をかけるものではありません。重要なことは、今回の要求は、同誌や他の学術誌に投稿される研究論文への貢献度を再評価することにつながり、おそらく、著者名の順番がこれまでよりも公正に割り当てられるようになると思われます。

The Journal of Clinical Investigationの編集委員会は、同誌の新たな要求によって、学術界に存在する組織的なバイアスを改善することはできないだろうと考えています。しかし、科学者の間でこうしたバイアスへの認識を高め、オーサーシップの順番をどのように割り当てるかについて議論を促すことは、若手研究者だけでなく、科学界全体への利益になるでしょう。

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