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- A.P., エディター

日本は、科学的な研究開発(R&D)における世界的なリーダーであろうと努めており、現在、R&Dに使う費用および研究成果に関して上位5か国に入っています。研究努力が強化されている側面の1つにデータ共有があります。データ共有は相乗効果を上げ、共同研究を促進し、意思決定の改善を可能にします。それでは、日本の研究者はデータ共有に対してどのような意見を持っているでしょうか。

最近、シュプリンガー・ネイチャーが公開した白書では、オープンサイエンスに対する日本特有の視点が示されており、日本のデータ共有の課題だけでなく機会についても概説されています。調査に参加した研究者の大多数(95%)が、主に自分野の研究を進めるため、またはデータの透明性および再利用のために、何らかの方法でデータを共有していると回答しました。ただし、この調査では、研究者同士で、または同じ研究機関の同僚間で、EメールやUSBを用いて私的にデータが共有される場合が多いことが明らかにされており、共有データの保全と保護の両面に影響がある可能性があります。

データ共有に関する主な懸念事項の1つは、データの悪用です。この懸念を軽減する方法が見つかれば、特にデータを利用しやすくする特定のデータレポジトリにおいて、より多くの研究者が公的にデータを共有するようになる可能性があります。

日本と世界の両方でデータ共有に関する議論が続く中で、持続可能な解決策を見出すためには、若手研究者から学術出版社まで、全関係者の様々な視点を得ることが重要になります。また、未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases:IRUD)などのプロジェクト関係者の見識も不可欠です。

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