特集記事

- G.A., シニアエディター

2006年のPLOS ONE創刊によって、学術出版に新時代が訪れました。PLOS ONEは初のオンラインメガジャーナルとして知られており、多様な学問分野にわたって豊富な論文を掲載する、オープンアクセス・オンラインジャーナルの先駆けとなりました。最盛期の2013年には世界最大の学術誌となり、1年間に3万本以上の論文を掲載しました。

メガジャーナルに掲載される論文の総数が減少傾向にあることが指摘されてきましたが、論文数そのものは、このようなメガジャーナルの実績を示す最良の指標ではないかもしれません。メガジャーナルの質を検証するために、Scientometricsに発表されたある論文の著者らが、メガジャーナルに掲載された論文の被引用数と、メガジャーナルそのものが他の学術誌でどのように引用されているかを調査しました。

具体的には、11のメガジャーナルで発表された論文が、権威ある3つの学術誌、NatureProceedings of the National Academy of Science、そしてScienceにどれだけ引用されたのかを検証しました。メガジャーナルに関して、これら権威ある学術誌での被引用数は2008年から2016年の間に大幅に減少していることが分かりました。この調査結果から、メガジャーナルは科学的研究の最先端に近い地位から滑り落ちていることが示唆されます。

メガジャーナルで発表される論文の総数がこのまま減少し続けるのか、権威ある学術誌での被引用数の減少が最終的に既存のあらゆるメガジャーナルの消滅につながるのか、今はまだ不明です。しかし、メガジャーナルがその歴史の初期に急成長を遂げたことと、従来の出版社に与えた影響は注目に値します。

英語版はこちら