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- G.A., シニアエディター

英国政府は、地球温暖化の高まる脅威に対処するために積極的な目標を設定しています。具体的には、英国は主要経済国の中で初めて、2050年までに温室効果ガスの排出を正味ゼロとする目標に法的拘束力を持たせました。しかし、英国の既存の科学研究の枠組みでは、この厳しい期限に間に合わせるために必要なイノベーションを生み出せないのではないかという懸念があります。

このような状況の中、英国のクリス・スキッドモア科学大臣は2019年10月の議会開会の演説で、最先端の分野の発展を推進する新しい資金提供機関を設立する計画について説明しました。米国国防高等研究計画局(DARPA)をモデルにしたこの新しいシステムは、官僚的手続きを減らし、より大きな問題をターゲットとするため、研究者に大きな自由を提供するものとなります。

提案された資金提供機関が、既存の英国リサーチ・イノベーションの外部から資金を受け取るのかどうか、全体的に見て政府の研究資金を効果的に増やせるのかどうかはまだわかりません。しかし、より合理化されたアプローチをとることにより、このような新たな機関がわずかな資金の増加さえも効果的に活用し、有意義な結果を生み出す可能性があります。

多くの場合において、困難に直面したとき、良い成果を生むためには新たなアプローチを試す必要があります。英国が正味ゼロ排出を達成することによりもたらされる潜在的な利点を考えると、この新たな、より積極的な研究アプローチが、米国DARPAと同様に英国の科学者にとって良い結果となることを願うばかりです。

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