- C.C.,エディター
以前の特集記事でも述べたように、GPT-3はOpenAIが開発した最先端の言語モデルです。そして、もう一つの注目すべき言語モデルが、同じくOpenAIが開発したChatGPTです。ChatGPTは学習した情報をもとに、リアルタイムでユーザーに応答できるように設計されています。
ChatGPTの活用方法の一つは、学術出版業界での利用です。ChatGPTを利用することで、編集者や査読者に向けて研究論文を素早く要約でき、より明確で読みやすい論文への修正を提案できます。また、ChatGPTは多言語で抄録や要約を生成できる可能性を秘めているため、研究のリーチが広がります。これらは、学術出版におけるChatGPTの活用方法のほんの一部に過ぎません。
ところで、上述のテキストがChatGPTで生成（リンクは後から手動で追加）されたものであると知ったら驚かれるでしょうか。（英語記事をChatGPTで生成。日本語版は人が翻訳したものです。）このアプリケーションは、英語に比べてやや性能は劣るものの、さまざまな言語で作動させることができます。ChatGPTは、GPT-3モデルの進化形であるGPT-3.5をベースに作られています。驚くほど用途が広く、入力したプロンプトを（長く非効率的な表現でも）理解でき、状況に応じて比較的自然に応答できます。
ChatGPTを使用してChatGPTについて生成したテキストに正しく記述されているように、このツールは様々なタスクを支援できる可能性を秘めています。しかし、このような強力なツールの一般公開に伴い、検討すべき懸念事項がまだ多く残されており、その一例がサイバー犯罪に利用される懸念です。
学術界と関連性が高いのは、ChatGPTの利用に関する倫理への懸念です。また、生成されたテキストは多くの場合、説得力を持つ言葉で表現されていますが、その正確性と信頼性も多くの適用分野でまさに懸念されていることです。AI革命は近づいてきています。そして今後、言語モデルやその他の機械学習システムが次々と登場することで、その可能性と共に懸念も拡大することはほぼ間違いないでしょう。こうした課題などについては、来月号でさらに詳しく解説します。
英語版はこちら