特集記事

サイエンスニュース

マンモス復活の夢と課題


絶滅種の再生は長い間SFの世界の話と考えられていましたが、その実現性が科学者や一般市民の心を捉えるようになってきています。絶滅種からDNAを取り出し、生きた動物を再生する可能性を唱える説は、1990年代に世に広まり、そのきっかけとなったのは1993年に『ジュラシックパーク』としてハリウッドで映画化された作家マイケル・クライトンによる小説でした。そして遺伝子工学への人びとの関心は、1996年にクローン羊のドリーが誕生したことでさらに高まりました。生きた動物のクローニングの成功を踏まえ、絶滅が危惧されている、あるいは野生ではすでに絶滅している種の保護という重要な課題に遺伝子工学をどのように応用できるのか、その研究が続けられています。

続きを読む...

モバイル技術を駆使した診断検査への期待


携帯電話をはじめとするモバイル技術は、私たちのコミュニケーション方法やマスメディアの利用法に大変革をもたらしました。かつてはぜいたく品、あるいは主に娯楽のための機器と見なされていた現代のスマートフォンも、私たちの日常生活のあらゆる場面で役に立つ重要なツールとしてますます存在感を高めています。

続きを読む...

創刊350周年を記念して


2015年3月6日、英国王立協会のフィロソフィカル・トランザクションズ誌創刊から350周年を迎えました。同誌は現在も継続的に刊行されている世界最古の科学ジャーナルです。この重要な節目を記念して、同協会の出版部門で現在幅広い分野のジャーナルを刊行するRoyal Society Publishingは、王立協会の歴史について解説するほか、過去350年に渡り科学出版界が目の当たりにしてきた変化の数々、さらには科学出版を待ち受ける不確かな未来について検討するカンファレンスを開催します。

続きを読む...

有望な抗生物質の画期的発見


長年科学者たちは、1種類または複数の抗生物質に対する耐性を獲得した病原菌が増えつつあることに警鐘を鳴らしてきました。現存の抗生物質の効果を保つため、抗生物質の乱用リスクと適正使用の重要性について公の助言がなされてきました。科学者にとっても一般市民にとっても、危険性を増している病原菌による脅威に対処する新しい抗生物質の開発は大いに期待されるところです。

続きを読む...